君+僕=幸

□関わりなんていらない
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「(...どうしたらしゃべってくれんだ...あいつ。)」



琉惺は家に帰ると普段着にしている着流しに着替えて、自分の部屋で寝っ転がっていた。じっと天井を見つめる。





「(放っといてか...人と関わるのが嫌なのか?けど、言った時の顔辛そうだった...よな。なんでだ?)...........あー、もうわっかんねぇ!!」



ガシガシと頭をかいて、寝返りをうった。






「(斗真、いいやつだと思うんだけどな。俺と目合わせてビビんなかったし。ちゃんと意見してくれたし。あいつなら...)」




琉惺の周りは、彼を恐れる人ばかりだった。今のクラスもそうだ。家が極道であることや自身の目付きが悪いこと、口も態度も悪いこと、いろいろ重なって人は彼を恐がり近づかない。ちょっと話しかけただけで、ごめんなさいと謝られる。


そんな彼を恐がらず、逆に強い目で見てくる斗真が、素直に嬉しかったのだ。こいつなら普通に仲良くなれると思った。





だが...あの突き放す態度。









「(まぁ、まだ始まったばっかだし、これからこれから!!)」



琉惺は勢いよく状態を起こし、気合いを入れるために両頬を叩いた。




 
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