喜びは君から。

□君に伝えたくて...
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煌は小学校に上がる前、関西のほうからこっちに越してきた。

慧とは同じ年で家は目の前、小学校ももちろん同じ。彼らは当たり前のように仲良くなった。中学も同じ公立校へ行き、ずっと一緒にいた。


大事なかけがえのない親友だった。



しかし、気付けば二人は互いの知らぬところで、友達以上の気持ちを持っていた。いろいろあったが、それをきっちり伝えたのは中学3年生の頃。



それから彼らは所謂恋人同士だ。



指宿学園高校に上がってからも彼らの関係は変わらず、至って良好だ。だが、高校ではクラスも部活も違うので、行き帰りや、休憩時間にしか会うことができない。

別段寂しくないといえば寂しくないが、寂しいといえば寂しいのが事実だ。




「ほんなら、後でな。」

「うん。」



各々自分の教室に入る。
慧は1B。煌は1A。









「篠原おはよー。」

「おはよう。」



慧はクラスで特に発言するほうではない。どちらかといえば大人しいほうだ。
ただ、適度な人間関係は築いていて、その誠実そうな雰囲気から人に頼られることも多い。頭も良いほうで、運動もそこそこできる。

細かいことに気がきくので、ひそかに女子から人気のある人物だ。









「おはよーさん。」

「はよー。鳴瀬、英語やってきた?」

「やってるわけないやんw」

「だよなーw」



一方、煌はクラスの中心的人物だ。明るく元気で人をひきつけるオーラがある。
ただし頭は少し弱くなかなかの天然だ。スポーツが好きで、体育の授業だけは成績がいいらしい。
人気はあるが友達止まりが多い。

度々1Bに現れて慧としゃべって帰るので、1Bでもちょっとした有名人だ。




 
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