喜びは君から。
□一番に君に
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できるだけ静かに玄関まで来ると、これまた静かに扉を開けた。
門のところに慧が立っていた。
そばまで寄っていく。
「慧?」
「ごめんね、突然」
煌と目が合うと、慧は少し罰の悪そうな顔で言った。
慧が夜中に電話してきたり、ましてや家を訪ねてくることはほとんどないので、罪悪感みたいなものを感じているのかもしれない。恋人だからいいのにと煌は思う。しかも家は向かいなのだから。
「ううん、全然ええけど...どないしたん?」
「うん、ちょっと待ってね。」
と慧は携帯を見つめた。煌はしばらくそんな慧を見つめる。
煌の頭の中が疑問符でいっぱいになった頃、慧は小さく声を出した。
「5、4、3、2、1.....」