ポケモン 短編
□花見
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「春だ!桜だ!花見だぁぁぁっ!」
綺麗な別地方の花が咲いているこの公園で、
第一声に何故かこの言葉を物凄く言いたくなったボク。
それを聞いていた通行人に笑われて、とうさんが恥ずかしそうな顔をした。
「お前は…何故そう羞恥心というものがないのだ…。此処に来るなり大声で…」
はぁ、
と、桜に囲まれた公園の道を歩きながらとうさんは溜め息をついた。
「ごめんごめん、何故か物凄く言ってみたかったんだよね!テンション上がるし!」
「上がらなくてよろしい。」
ピシャっと冷たい目で見据えられながら、言い放たれた。
―………。
もー…、とうさんはいつでもそうだ。
折角久々に遊びに来られたというのに…
「…ねぇ、折角久しぶりに一緒に遊びに来られたんだよ?もっと…こう…さ、楽しもうよ。ね?」
だけど、とうさんはやっぱり表情を変えなくて
「…楽しめませんよ。」
はぁ、とまた溜め息をついた
「忘れたのですか?N。ワタクシは警察に追われている身なのですよ?」
「あ…」
忘れてた…。
というか、こういう時くらい忘れたいよ!
「いくらこのように変装してるとはいえ…いつバレるか分かったものではありません」