This way and that(ハリポタ 夢小説)

□あっ… 8話
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「長いままでも十分格好良かったよなアンタ。チクショウイケメン羨ましいっ」

………………………。

「無視かっ」

「五月蝿い奴だ」

髪を整えていた彼は溜め息をつき、鏡をオレに渡した。

「蝿にでもなりやがれイケメンめ」

小声で悪態をつくと、杖で腹を強く押してきた。

「ちょ、痛い痛い!」

「俺様はこの顔が気に入ってはおらぬ。羨ましがられると腹が立つのだ」

「…あぁ、アンタのお父様はアンタを捨てたような最悪な人だからな。気に入らないのは当然だろうて」

自分では気に入ってないことを誉められると嫌な気持ちになる
それはオレも同じだ。だからイケメン野郎と悪態をつくのは心の中だけにしておこう。

「……」

ふと、彼が不満そうな目で自らの杖を見つめているのに気づいた。


彼の魔力は、杖を取り戻してから数ヵ月経った今でも戻らない。

結局ダメだったと知ったときの彼は最初は少し無気力だったが
自棄になったりするようなことは無かった。
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