ポケモン 短編
□苦熱日
1ページ/5ページ
……いつも通りの朝。
Nが目を覚ますと、いつもは直ぐさめるはずの視界はずっと霞んだままで、
布団に入っているというのに変に寒けがあった。
起きあがると、
ズキリと頭が痛み、思わずそのまま倒れそうになった。
重い体をなんとか起こし上げ、身支度を整え、仕事に行く準備をする。
最近、仕事を掛け持ちし始めたから疲れているのかもしれないな
今日は少し早めに帰らせてもらおうかと考えながら、
Nはいつも通り大切な家族達に笑顔で『いってきます』を言い、家を出ようとしたら、、、倒れた。
・
「38.9℃…。」
苦しそうなNの寝顔を見つめ、ゲーチスは溜め息をついた。
これだけ上がっていたのなら、起きた時点で不調があったはずだろうに…
目頭を押さえ、また溜め息をつく
「全く……」
「………ん……とうさん…?」
溜息交じりに呟いたら、Nがうっすら目をあけ、掠れた声でゲーチスを呼んだ。
「おや、起こしてしまいましたか」
「…ん………?」
起きあがろうとするN。
だが、それをゲーチスが押さえた。
「寝てなさい。」
「?」
Nは『どうしたの?』と、目で訴える
「自分の身に何がおこっているのか理解できていないのですか?…お前は熱をあげて倒れたのですよ」
「え……」
Nは少し驚いた表情をした。
そして、激しくせき込んだ
「っ………うぅ……」
手で口元を押さえながら、苦しそうに呻き声をあげるN
「………とうさん…」
「失礼します。」
Nがゲーチスに向かって何かを言おうとしたら、丁度ダークトリニティが入ってきて、遮られた。
「…氷枕、お持ちしました」
言い、入ってきたトリニティはNとゲーチスの方に近づいて来る。