S.K 連載夢
□第零章
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−ガツン!
「うにゃっ!?」
頭ぶつけた。
一気に現実の世界に引き戻されて、一瞬ここがどこだがわからない。
えーっと確か、
「ハサミ探してたんだっけ」
『違います』
「あ、コンちゃんおはよー」
耳元から声がするから、どうやらコンちゃんは肩の上にいるのかな?
『おはよーじゃないですよ!私達、次で降りるんですからね』
「え、降りるってどこから?」
『………あなた、今の自分の状況わかってます?』
「ぜんぜ……あー、もしかしてここ電車の中?」
『そうです。その調子で自力で思い出してください』
「そういえばすげー懐かしい夢みたわ」
『スルー!?』
「お、コンちゃん現代的な言葉知ってるね」
『……魅桜は相変わらず人の話聞きませんよね』
[東京ー東京ー]
アナウンスが入ったので、俺はひとまずスポーツバッグを荷だなから下ろした。
それから、ギターケースを背負って、終了。
なんせ、急な話だったから、必要最低限のものしか持ってきていない。
いやーここまで長かった。
「さて。とりあえず、バイトと今日の寝床確保だな」
*****
ここでひとまず状況整理を致しますと。
俺は今し方、家庭の事情で東京に出てきたばかりだ。
なんのためかって?
さあ?知らね。
とにかく、俺の面倒見てくれてるジーさんが急に行ってこいっつーから来ただけだし。
ま、おおかた自分の孫である麻倉葉とこの俺を接触させたいんだろう。
麻倉家の養子であるこの俺、
麻倉魅桜を。
まったく、葉明さんは一体なんのつもりなのかねー。
今まで本当に少数の人間としか、俺と接触しなかったどころか、
麻倉家に養子がいることすらほとんど知られていないほど、俺の存在はひた隠しにされてきたのに。
すべては七年前の悲劇を隠すため。
「なーんてな」
『何がです。それより、今日の寝床は見つかったんですか』
「ああ、そうだったそうだった」
『もう、しっかりしてください!このまま野宿することになってもいいんですか!?』
「まあ、今の季節なら凍死はせんだろ」
『魅桜!』
「わかってるって。なんとかするさ」
で、そうそう。
ここは、俺の転生したこの世界は、
“シャーマンキング“
俺が前の世界で大好きだった、漫画の中の世界だ。