H×H 連載夢

□第一章
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「お前に依頼がある」



いつもなら気配を消して背後から突然現れるくせに、その日に限って真面目くさった顔をして正面から堂々とやってくるから何かと思えば。



『……………………は?』




「なんだよその間は」


『何食べたんですか師匠』


「俺は至って健康だ!」


パソコンを閉じて向き合うと、彼はボリボリと頭を掻きながら決まり悪そうに言った。




「お前、ハンター試験を受ける気はねえか?」





****




「嵐が来るよ」



自分の現在地から遥か下、場にそぐわない幼い声が聞こえた。


少年は目を開けた。


途端に強い風が吹いたので、あわてて帽子を押さえる。


その黒い帽子に加え、今日のファッションは黒い革製のジャケットの中にドクロの模様の白Tシャツ、黒のジーンズに黒のラインが入ったスニーカー。


全体的に黒々とした格好だ。


ガクンと目の前の景色が揺れ、その体が急降下し始める。



「え?」


黒髪のツンツン頭の少年…ゴンは、突然顔を上げた。

それを怪訝そうに船長は見上げた。

「どうしたボウズ、嵐のことはもう聞いた…」



「人だ!!」


ゴンは思わず叫んだ。

ほどなくして“ぼすっ”と船の帆に何かがぶつかる音がして、

船長の前に黒い塊が転がり落ちた。



『あー……え、へへ。こんにちは』



仰向けにひっくり返ったまま、少年の形をした黒い塊は片手を上げてあいさつする。


「キミ、大丈夫!?」


ゴンがあわてて駆け寄ると、その少年は呑気に笑っていた。



『ああ、大丈夫。破れてない』

「え?」


『丈夫だね、あれ』


少年は帆を指差した。
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