H×H 連載夢
□第二章
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ザバン市ツバシ町−
定食屋を前にして固まる3人…
『ふあぁぁ〜ぁぁあ』
と、眠い1人。
「ホラ、ユラ起きて」
「寝ぼけてると落ちるぞ〜」
『うーん…』
レオリオに頭を揺さぶられて、ユラは小さく唸っている。
「いらっしぇーい!!」
人間に化けた凶狸弧が「ステーキ定食」と言うと、店員の男がピクッと反応した。
「焼き方は?」
「弱火でじっくり」
あいよー、という返事の後、4人は奥の部屋に案内された。
「それじゃ頑張りな、ルーキーさん達。お前らなら来年も案内してやるぜ」
そう言って凶狸弧は帰って行った。
「失礼な奴だぜ。まるでオレ達が今年は受からねーみたいじゃねーか」
レオリオがステーキを頬張りつつ、文句を言う。
「3年に一人」
「ん?」
「初受験者が合格する確率だそうだ」
クラピカが説明している間、ユラはウエストポーチの中身を確認していた。
「ユラ?何してるの?」
ゴンが覗きこんでくる。
『うん、所持品かくにーん』
ゴンの背後では、クラピカとレオリオは「ええかっこしィめ」「金の亡者が」などと争っている。
『しかし、話戻すけどレオリオの言うとおりだね』
「え、何が?」
『凶狸弧さんが失礼だって言う話。人のことを言いたい放題ベラベラと』
参っちゃうよねーとにこにこしながら、朗らかに言うユラにゴンは顔をひきつらせた。
「…もしかして、昨日の夜起きてたの?」
『いや、寝てたよ』
「……」
チンと音がしてエレベーターが地下100階に着いた。
扉が開くのと同時、鋭い視線が一気に4人に集まる。
ゴクリと唾を飲みこむレオリオとクラピカに対し、ゴンは興味津々といった様子で辺りを見回している。
「一体何人くらいいるんだろうね、ユラ……ユラ?」
「どうしたゴン?」
「ユラがいない!!」
「ああ!?」
そのとき、3人に声をかけてきた男がいた。
「君達で406人目だよ。ちなみに黒帽の少年なら、さっき見かけたよ」
その男はトンパと名乗った。