H×H 連載夢
□第八章
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ゾルディック家の次男−ミルキ・ゾルディックは、ユラとの電話を切った後、
「……なんで知ってんだよ」
「あ?」
「ユラの電話番号。なんでブタくんが知ってるわけ?」
「ブタくん言うな!」
「なあ、なんで?ってか、もしかして昨日電話してたのもユラ?」
三男−キルア・ゾルディックによる質問攻めにあっていた。
「っていうか、いつ知り合ったんだよ、仕事しないでゲームばっかしのひきこもりのくせに」
「うるせーな!仕事してるからアイツの番号がわかるんだろーが!!」
「知るかそんなの!」
「なんだと!?」
その後ひとしきり罵り合い、お互いに息が切れたため、ひとまず呼吸を整えると多少は落ち着いてきた。
まずミルキが渋々ながら口を開く。
「アイツに仕事頼まれたんだよ」
「………暗殺?」
「んなわけねーだろ。修理だよ、ケータイのな」
「あー、だよな」
なんとなくホッとしたキルアに、ミルキは「っていうかさ」と続けた。
「今さらいつ知り合ったかなんて覚えてねーよ」
「は?」
「べつにずっと部屋にいたわけでもねーし、アイツの拷問訓練とかも時々してたし、だいたいアイツは」
「ちょっと待て!」
−いつ知り合ったか覚えていない?
−アイツの、ユラの拷問訓練をミルキがした?
「………キル、お前まさか覚えてねーの?」
唐突に。
ぼんやりとした記憶の断片に
『おはようございます』
『大丈夫ですか?』
『見てください、綺麗な夕日』
『これを、キルア様に』
『キルア様!』
『……キルア様?』
どこか聞き覚えのある幼い声。
それを発したのは、
ミルクティーのような茶色い髪を炎に揺らめかせた小さな女の子。
『っ、……なんで……………?』
顔を歪めたその女の子の瞳の色が、めまぐるしく変わり−
『……なんで?キルア……!!』
「おいって!!どうしたんだよ!?」
眉をひそめるミルキに、キルアはただ、呆然と
「オレは、ユラを知ってた………?」