H×H 連載夢
□第七章
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「お前……最終試験のときの」
『そうッス。えーっと、どちらがレオリオさんで?』
「あ、ああオレだ」
『そっちの金髪の……』
「クラピカだ。君は……そうか、あのときはお互いほとんど顔を合わせなかったからな」
『まあ……そうッスね』
レオリオとクラピカは顔を見合わせた。
「「なぜ微妙に敬語?」」
『だって2人の方が年上じゃないスか』
−睨みつけながらの態度は相変わらずだが。しかもネテロ会長には随分な口の利きようだったが。
心の中でツッコミつつ、クラピカはそれよりも気になっていることがあった。
「敬語はいらない。たかが3歳差だしよそよそしい。それよりも、」
『オレは一応今年で15だから2歳差な。で?』
「あ、ああ。お前の、その目は……」
言葉を詰まらせたクラピカにユラはあっさりと言う。
『緋の目じゃねぇよ』
「そう、か……」
わかってはいたが、やはり落胆してしまう。
変わって、質問をしたのはレオリオだった。
「オレも敬語はいらない。さっき”クレナイ“とか言ったな。ひょっとすると、人格としての名前か」
『あったりめーじゃん。ちなみに、瞳の色は人格によって変わんだよ。オレは瞳が赤いから“クレナイ”。さっきのヤツは黄色だから”コハク“だ』
「え、じゃあさ!」
と、ここでゴンが声を上げた。
「もしかして、トリックタワーでオレとゲームしてくれたのは別の人?」
『あ?ゲーム?』
険しい顔が少し緩み、ユラ−クレナイは考え込んだ。
『……ミドリか』
「ミドリっていう人なの?会わせてよ」
『…………会いてえの?』
「うん!」
『…………………あそ。知ーらね』
ゴンが首を傾げている間、眉間に皺を寄せて頭を抱えていたかと思うと、
次の瞬間、
『……あーあ、超だるいんですけど〜』
ユラの瞳は少し青みがかった緑−エメラルドグリーンに染まっていた。
『ねーえ、みぃ喉乾いちゃったぁ。誰か飲み物持ってきて』
“ミドリ”は足を組み、高慢にツンと顎を上げる。
−確かに彼女だ。
クラピカとレオリオがげんなりするのも無理はない。
『聞こえてる〜?あんた達の耳、機能してるのぉ?飲み物持ってきて、って言ってるんですけど〜』
こんな風に、あのトリックタワーでも散々こき使われたのだ。
「お前な、それが人にモノを頼む態度かよ」
怒る気にもなれないらしく、レオリオが呆れたように言いながら、素直に財布を持って立ち上がる。
レオリオがいない間、ユラがポーチから手鏡を取り出し、自分の顔をチェックし始めた。
「ねぇ何してるの?」
『見とれてるの』
「自分の顔にか?」
『トーゼン。あ〜みぃちゃん、今日も超かわいい……!』
満足気なその様子にクラピカは溜め息をつく。
反対にゴンは、
「うん。ユラは美人さんだもんね!」
サラリとのたまった。
その一言がお気に召したのかどうなのか、ゴンがぎゅうぎゅう引っ付いても咎める様子はない。
というか、ゴンもただ引っ付いていると言うよりも不安なのだろう。
−なにせ、私達の間では、彼女は一度死んでいる。
『なぁにぃ?そんなに見つめちゃって。みぃちゃんに惚れちゃった?』
「それはない」
『あっそう』