H×H 連載夢

□第七章
2ページ/9ページ


「お前……最終試験のときの」

『そうッス。えーっと、どちらがレオリオさんで?』

「あ、ああオレだ」

『そっちの金髪の……』

「クラピカだ。君は……そうか、あのときはお互いほとんど顔を合わせなかったからな」

『まあ……そうッスね』


レオリオとクラピカは顔を見合わせた。


「「なぜ微妙に敬語?」」

『だって2人の方が年上じゃないスか』


−睨みつけながらの態度は相変わらずだが。しかもネテロ会長には随分な口の利きようだったが。

心の中でツッコミつつ、クラピカはそれよりも気になっていることがあった。


「敬語はいらない。たかが3歳差だしよそよそしい。それよりも、」

『オレは一応今年で15だから2歳差な。で?』

「あ、ああ。お前の、その目は……」

言葉を詰まらせたクラピカにユラはあっさりと言う。

『緋の目じゃねぇよ』

「そう、か……」

わかってはいたが、やはり落胆してしまう。

変わって、質問をしたのはレオリオだった。

「オレも敬語はいらない。さっき”クレナイ“とか言ったな。ひょっとすると、人格としての名前か」

『あったりめーじゃん。ちなみに、瞳の色は人格によって変わんだよ。オレは瞳が赤いから“クレナイ”。さっきのヤツは黄色だから”コハク“だ』

「え、じゃあさ!」

と、ここでゴンが声を上げた。


「もしかして、トリックタワーでオレとゲームしてくれたのは別の人?」

『あ?ゲーム?』

険しい顔が少し緩み、ユラ−クレナイは考え込んだ。


『……ミドリか』

「ミドリっていう人なの?会わせてよ」

『…………会いてえの?』

「うん!」

『…………………あそ。知ーらね』


ゴンが首を傾げている間、眉間に皺を寄せて頭を抱えていたかと思うと、
次の瞬間、


『……あーあ、超だるいんですけど〜』

ユラの瞳は少し青みがかった緑−エメラルドグリーンに染まっていた。


『ねーえ、みぃ喉乾いちゃったぁ。誰か飲み物持ってきて』

“ミドリ”は足を組み、高慢にツンと顎を上げる。


−確かに彼女だ。

クラピカとレオリオがげんなりするのも無理はない。


『聞こえてる〜?あんた達の耳、機能してるのぉ?飲み物持ってきて、って言ってるんですけど〜』

こんな風に、あのトリックタワーでも散々こき使われたのだ。


「お前な、それが人にモノを頼む態度かよ」

怒る気にもなれないらしく、レオリオが呆れたように言いながら、素直に財布を持って立ち上がる。


レオリオがいない間、ユラがポーチから手鏡を取り出し、自分の顔をチェックし始めた。


「ねぇ何してるの?」

『見とれてるの』

「自分の顔にか?」

『トーゼン。あ〜みぃちゃん、今日も超かわいい……!』

満足気なその様子にクラピカは溜め息をつく。


反対にゴンは、

「うん。ユラは美人さんだもんね!」

サラリとのたまった。

その一言がお気に召したのかどうなのか、ゴンがぎゅうぎゅう引っ付いても咎める様子はない。

というか、ゴンもただ引っ付いていると言うよりも不安なのだろう。



−なにせ、私達の間では、彼女は一度死んでいる。

『なぁにぃ?そんなに見つめちゃって。みぃちゃんに惚れちゃった?』

「それはない」

『あっそう』
次へ
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ