イナGO短編集
□どうする?
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ふと部室に入るとユニフォームが一着落ちていた。
「背番号…三番。」
霧野先輩のだ。
ユニフォームはかなり土で汚れていた。
「霧野先輩…。たくさん練習したんだな。」
今にも霧野先輩の練習風景が浮かんでくるようだ。
ところで霧野先輩はこんな物を置いてどこへ行ったんだろうか。
「霧野先輩。」
と読んでみるが、やっぱり居る筈がない。
もう一度ユニフォームを手に取り、今度は広げてみた。
ユニフォームからは少し霧野先輩の香りが漂う。
「これ、どうしよう…。」
1.ここに畳んで置いておく。
2.今から霧野先輩の所まで届けに行く。
3.何事もなかったかのように再び丸めて置いておく。
4.家に持って帰って洗濯してから渡す。
俺的には4がいいけど、霧野先輩が嫌がるかもしれない。
でも1とか3だと、もしこのまま明日になったら霧野先輩が困るだろう。
2が無難といえばそうだが、果たして霧野先輩は何処にいるのだろうか。
相変わらず霧野先輩のユニフォームを広げて持ったまま俺は考えていた。
そこに
「ユニフォーム忘れてた。」
と霧野先輩が勢いよく部室に入ってきた。
「っ!!」
「狩屋、俺のユニフォーム…。何やってんだ?」
「え?あ〜ちょっといろいろ、何やってるんでしょうね〜ハハハハ」
必死に弁解も通じず、霧野先輩にドン引きされながらもユニフォーム騒動が終わるという最悪な日になりました。
――END――
最近狩屋の登場が多い気がしました。次は京天でも書こうと思います。そろそろ他の人入れなくちゃ…。
いつも駄作を読んで頂きありがとうございます。