イナGO短編集

□みんなで花見に行ったよ
1ページ/1ページ

「そういえば最近、休みの日がないな」

と円堂が呟いた。

「じゃあ今日は休みにしてもいいんじゃないか?」

と鬼道が答える。

「ああ、そうするか」

「みんな、急になってすまんが今日は久々の休みにする」

円堂の言葉に従ってみんなは返事をする。

「ちゅーか、急に休みって言われても何もすること考えてないよな」

「そういえば今日は夕方まで両親が帰ってこないから家の鍵が開いてないですよ。」

浜野と速水が口々に言う。

「じゃあ、みんなで花見に行きませんか?」

という天馬の一声にみんな賛成し、結局みんなで花見に行くことなった。

「きれいだな神童」

「ああ」

と2人は感嘆の声を漏らしている。その一方、錦は

「人ごみが邪魔ぜよ」

と言いながら、たこ焼きの屋台へ向かっていく。

「待ってくださいよ」

と言って中1軍団は錦の後を追いかける。

しかし、剣城だけは違った。
彼は1人で桜の木にもたれながら、桜を見ていた。

それに天馬が気付く。

「剣城〜、どうしたの?」

「いや、……なんでもない」

剣城は何かしんみりとしながら答える。
しかし、天馬は剣城のその様子に気付いていないみたいだった。

「なんでもなかったら一緒にたこ焼き食べようよ」

なんて言いながら剣城を屋台まで引っ張っていく。

「おぅ剣城、来たか……っておまん元気ないな」

錦が剣城を見次第、すぐさまそう言った。

それを聞いてやっと天馬は剣城の様子がおかしいことに気付いた。

そしてまた、今度は人ごみのない方へ剣城を引っ張ってった。

「おい天馬、さっきから俺をなんだと思ってるんだ!」

剣城が耐えられなくなって怒る。

「気付かなくてごめん」

天馬はすぐに謝り出した。
剣城がしゃべりだす。

「いや、本当にこれは俺の自分勝手なことだから……」

「自分勝手でもなんでもいいよ」

天馬が剣城をさえぎった。

「たとえ剣城の自分勝手でも、剣城がいやな思いを抱えてるなんて俺がいやだよ」

「なんだよ大袈裟だな」

と言って剣城は表情を緩める。

「別に俺は誰かに構って欲しかったり、心配して欲しいわけじゃない。ただ……」

その後剣城は何かを言おうとしたが、言えずに視線を落とした。

「なんだよ剣城」

「……兄さんもいれば良かったなって」

「ゴメン天馬……、忘れろ」

「そんなの自分勝手のうちに入んないよ。剣城はお兄さん思いの優しい人、ただそれだけじゃんか」

天馬は少しためらった素振りを見せた後に続ける。

「それに、剣城が大切にしてる人や物は俺だって大切にしたい。だって剣城のことが大好きだから」

喋り終わった後に天馬は満面の笑みを見せる。
それにつられて剣城も笑った。

「お前って本当に馬鹿だな。……ありがう、天馬」

「じゃあ、今から病院に行って優一さんを連れ出してこよう!!」

「そんなことして雷門の人とか病院の人とかに見つからないのか?」

「何とかなる!!」

「行くよ〜、剣城」

「正真正銘の馬鹿め……」


――END――

おかしくなりすぎた、オチが無い、とにかくおかしい……
今回は特に事件満載となってしまいました。
お読みいただきありがとうございます。
すみませんでした。
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ