長編〜ひとりじゃないから〜
□はじまり
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入学式が終わってからあの2人に声を掛けようと思ったけど、すぐに自分のクラスへと連れていかれてだめだった。
ま、いっか。どうせ同じ学校なら後からでも話し掛けられるよね。
なんて思って自分のクラスの自分の席に座ったら、あの2人がいた。同じクラスか。
私は後ろの方の席だったが2人とも前の方に座っていた。
しばらくすると自分は担任だと主張する人が教室に入ってくる。
一通りその人が自己紹介をし終えた後、生徒が自己紹介することになった。
「錦龍馬ぜよ。サッカーが得意ぜよ。みんなよろしくぜよ」
「速水鶴正です。自己紹介って言っても僕はどうせ何もできませんよ」
「倉間です」
そして私の番になる。
「え……と、桜木菜々子です」
すると神童君と霧野君が同時にこっちを振り返る。
覚えててくれたんだ。