ミッチー夢-完結-
□一言だけでも
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インターハイ神奈川県予選決勝リーグ
海南×湘北
試合は1ゴール差で海南の勝利
もちろん嬉しい
でも複雑
私は試合中三井くんばかり目で追っていた
-マネージャー失格だ…-
『元気ないっすね』
「そんな事ないよ!
最後ファインプレイだったね
信長くん止めてなきゃ海南負けてたんだから」
試合終了直前にケガをした信長くんの手当てをしながらも
ぼんやりしている事に気づかれてしまっていたらしい
「はい!できた
試合続くからあんまりムリしないでね」
ありがとうと言ってバタバタと控室を出て行く信長くん
入れ違いで紳ちゃんが入ってきた
『三井のとこ行かなくて良いのか?』
「行かないよ
きっと気付いてないもん」
バスケをやめた私はボブだった髪を伸ばした
三年になった今髪は背中の真ん中位の長さがある
「私前よりも太ったしなぁ…」
そんな私に紳ちゃんは
女の子らしくて良いよ
と言うけど三井くんも同じように思ってくれるとは限らない
「紳ちゃん帰ろう」