White Life

□純潔の白い薔薇3
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『……う……ん…』



ゆっくりと目を開けると、映ったのは薄暗い天井だった。



「あら、気がついたかしら?」


そして降りかかってきたのは少し低い声。


私は声のする方に顔を向ける。



「ずっと眠ったままだったから心配したわ。大丈夫?」



そう言って語り掛けてきたのは、タンクトップ姿の男。


私は上体だけを起こし辺りを見回す。


『……ここは…』
「アナタが倒れた場所の横の部屋よ」
「お姉ちゃん!」


呼び掛ける可愛い声とともに男性の後ろから駆けてきたのは、小さな女の子。


『あれ…あなたは確か…美術館で…』


そう、その女の子は美術館で私とぶつかった子だった。


「うん、お姉ちゃんも来てたんだね。また会えてよかった…」


安堵した女の子の手には、赤い薔薇が握られていた。


『その薔薇…』

「うん…ギャリーも持ってるよ。青いバラ」


女の子はギャリーと呼んだ男性を指差すと、確かに彼も同じ薔薇を持っていた。


『そうなんだ…やっぱり二人の薔薇も』
G「ええ、アタシ達の命そのものよ。

アタシもアナタと同じ目にあったんだけど…そこをこの子が助けてくれたのよ」
『それで今度は私がギャリーさんに助けられたんですね…ありがとうございました』
G「どういたしまして。あ、それと敬語はいらないから。あとさん付けもね。堅苦しいのは苦手なのよ」
『…わかった』


そこで私はギャリーの姿を見た。


『…………』
G「…………」
『…………』
G「………何よ?」


『…ギャリーってオカ「男なんだけど」


オカマなの?と言い終わる前にギャリーに遮られた。


『あ…そうなんだ…ごめん。失礼なこと言って』
G「分かってくれたならいいわ。

あ、それと…はいコレ!」


ギャリーが差し出したのは…


『あ、私の薔薇…』
G「活けて回復させておいたわよ」


あ、活けると回復するんだ…
よし、覚えておこう。
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