White Life

□純潔の白い薔薇9
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『……う………ん…』



うっすら目を開けると、そこは広い空間が広がっていた。



『……い……っつ』



高い所から落ちて全身を打ったようで、起き上がろうとすると全身に痛みが走った。



『っ…イヴ…ギャリー…?』


周りを見ると二人の姿が見当たらない。


どうやら落ちたときにはぐれてしまったようだ。


『…………く…っ……』


痛む体をなんとか起こし、再度辺りを見回す。


そしてそこにあったのは…



マネキン首、無個性、人形…

そこら中に散らばるようにそれらがいくつもあった。



『………………』



今は静止しているけど、突然動き出した!っていうのは正直勘弁してほしい…


『………あれ…?あれは…』



私は少し離れた所に落ちている小さな物を見つけた。




『……これ………



イヴの薔薇……でも花弁が一枚しかない…
どうしよう、近くに花瓶は…』
「ルキ!」


すると、聞き覚えのある声が私を呼んだ。


『!…イヴ、ギャリー!』
G「ああ…!無事だったのねルキ!良かった…」


イヴとギャリーが駆け足で私に近づいてくる。


不意にイヴを見ると、やはり少し顔色が優れていないように見える…


『あっうん…なんとかね。

それよりイヴ、コレ…』


私は赤い薔薇をイヴに差し出した。


G「ちょっと…花弁が一枚しかないじゃない!急いで花瓶を探して水に活けないと…!」
『私も探そうと思ってたんだけど、流石におもちゃ箱にないと思う…』
I「わたしは大丈夫だから………それより早く、カギさがそ?」


イヴはそう言うが、顔色を見るととても大丈夫そうには見えない。


『でもイヴ、このままじゃ…』
I「絶対に取られないように守るから…」
『………………』
G「イヴ……


はぁ…分かったわよ。じゃあそれはしっかり持っていなさい」
I「うん…」
『………(ホントに大丈夫かな…)』


そんな心配がよぎったが、仕方なく花瓶探しは後回しにして、先に桃の鍵を探すことにした。
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