主人と僕の旅路
□居場所
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―次の日の朝―
「鈴ちゃん、決まった?」とかごめちゃんが尋ねる。
かごめちゃんの側には、犬夜叉さん。それに法師さんと、今で言うブーメラン?を持った女の人がいる。それから、猫の妖怪と狐?の妖怪も。
私がボーッとしてたのか、かごめちゃんが「大丈夫?」と顔をのぞきこむ。
「う、うん」と私はなんとか答えて、震える足で木の下に立っている殺生丸さまの前まで歩いた。
「鈴ちゃん?!」とかごめちゃんの驚いた声がする。
でも、
今話すべきなのは、かごめちゃんじゃなくて、殺生丸さまだと思うから…。
「殺生丸さま。あの、私…」
スーハーとゆっくり深呼吸する。そして、覚悟を決めた。
「私、殺生丸さまの側にいたいです。殺生丸さまの側にいると、邪魔だってことも、ご迷惑がかかることも十分に分かってます。でも…、それでも…」
殺生丸さまの目を、しっかりと見る。
「それでも…。殺生丸さまの側にいたいんです!どうか、お願いします」
私の必死の思いで、深く頭を下げた。
しばらく沈黙が続く。
そして…
「好きにしろと言ったはずだ」
「え?」
私はゆっくりと頭を上げて、殺生丸さまを見る。
殺生丸さまも、私のことを目をそらさずに見ていた。
「あの、殺生丸さま。それじゃあ…」
「二度は言わん。よく聞け。……鈴の居場所はここだ」
―殺生丸さま…―
「行くぞ」と言って、殺生丸さまが踵を返す。
「はいっっ!」
私はタタタと、殺生丸さまを追いかける。
が、その時、「待って!!」とかごめちゃんの声がした。