主人と僕の旅路 3
□最後のかけら
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殺生丸さまは奈落へと冷ややかな視線を向ける。奈落はというと、ずっと結界の中だ。
「ふっ、殺生丸…。弟を助けにかけつけたか…?お優しい兄上様だな」
殺生丸さまは骨をジッと見た後、犬夜叉さんの前に降りる。
そして右手を振り上げ犬夜叉さんの頬を殴った。その反動で犬夜叉さんは後ろに吹っ飛ぶ。
「!」
「犬夜叉!」
かごめちゃん達は犬夜叉さんの元へとすぐに駆け付ける。
私も阿吽に指示を出して、殺生丸さまの側にいく。
「てめぇ…なにしやがる…」
「半妖ふぜいが、父上の墓を荒らしおって」
父上の…墓。そうか、どこかで見たと思ったら殺生丸さまか。骨だけれど、殺生丸さまと雰囲気が似ているんだ。
殺生丸さまは再び空に上がると奈落へと向き直る。
「下衆が…」
「ふっ」
その時、後ろから「小…僧…」と声がする。
声の主は髑髏顔の妖怪。妖怪の周りは結晶で覆われている。
結晶の妖怪は犬夜叉さんに問いかける。
「きさま…闘う力は残っているか…?」