真実を映す鏡3
□バレンタインデー
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モグモグと口を動かす白哉。そんな白哉を私とルキアちゃんはジッと反応を見守っている。
やがて白哉はゴクリと喉を鳴らす。
「…」
「…」
しばらくの沈黙。そして―。
「…上手い」
「「!!!」」
その一言が聞こえた瞬間、私とルキアちゃんは顔を見合わせる。そしてお互いにハイタッチ。
「やったね」
「はい」
そんな私たちを白哉はほんの少し柔らかい表情で見つめている。ほんの少し、だけれど。
「じゃ、白哉。ホワイトデー楽しみにしてるから」
「…ホワイトデー」
「ホワイトデーはね。今度は男の子が女の子に贈り物を返す日なんだよ」
ここで私は口元だけをゆっくり上にあげる。
「バレンタインより倍返しにして、ね」