主人と僕の旅路 3
□試される資格
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私は懐へと手を入れる。
「邪見、悪いけど私の後ろへ下がってて」
「へ?」
邪見は私をマジマジと見ながら、ゆっくりと後ろへ下がっていく。
後ろに下がったのを確認すると、懐から風鳥を取り出す。
「汚れた空気を退けろ、風鳥!」
風鳥は大きな翼を広げると、風で瘴気を奈落のいる方へ飛ばしていく。
「「「!!!!」」」
その瞬間、犬夜叉さんたちの目が大きく見開かれたが今は何も話しかけてこなかった。
唯一かごめちゃんだけは私の横に立って、弓を構える。
そして矢を放つと、瘴気を遠ざけるのではなく浄化してしまった。
かごめちゃんってやっぱり…。薄々思ってはいたけれど巫女さん。それも、相当強い。
斬り裂かれた奈落の触手はバキバキと奇妙な音を立てて、枝分かれしていく。
「どうする?殺生丸。わしを斬り刻むたびに、瘴気が満ちあふれる。この場にいるものはいずれ死に絶える」
…。
奈落の言葉に「だ、大丈夫じゃ。かごめの矢があれば…」と七宝ちゃんが呟くものの、
「矢は…もうないわ」とかごめちゃんはかえす。
かごめちゃんの背には一本まだ矢があるものの、バチバチと鋭い音をたてて触れそうにない。