真実を映す鏡3
□違和感
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私は一旦、刀を下げてジッと藍染を見る。
そして一つの可能性に気付く。
藍染はさっきからいつの間にか移動している。それは本来ならあり得ないことだ。
何故なら私は瞬間記憶能力を持っている。
その場で目にとらえられないことがあっても、記憶を巻き戻すことができる。
だからあり得ないのだ。
――いつのまにか移動している、なんてことは。
「白哉!」
白哉は藍染の刀を受け止めながら、チラリと私に目を向ける。
「その藍染は幻かもしれない」
「!」
驚く白哉と対照的に、唇の端をゆがませている藍染。
藍染は白哉の刀を易々と受け止めながら、「どこで気付いたんだい」と言葉をかけてくる。
「私の刀の能力は、私の記憶力に由来しているんですよ」
刀の能力はもう知られてしまっているので、隠していても仕方がない。
私は藍染を鋭く睨みつけたまま、口を開く。
「私は見たものを一瞬で記憶出来るんです。だから藍染、あなたがいつの間にか移動しているなんて可笑しな話なんです」
その瞬間、周りの風景が変わる。
そして白哉と刃を交えていたのは一護だ。藍染じゃあ、ない。