真実を映す鏡3

□違和感
2ページ/4ページ

私は一旦、刀を下げてジッと藍染を見る。

そして一つの可能性に気付く。

藍染はさっきからいつの間にか移動している。それは本来ならあり得ないことだ。

何故なら私は瞬間記憶能力を持っている。

その場で目にとらえられないことがあっても、記憶を巻き戻すことができる。

だからあり得ないのだ。

――いつのまにか移動している、なんてことは。

「白哉!」

白哉は藍染の刀を受け止めながら、チラリと私に目を向ける。

「その藍染は幻かもしれない」

「!」

驚く白哉と対照的に、唇の端をゆがませている藍染。

藍染は白哉の刀を易々と受け止めながら、「どこで気付いたんだい」と言葉をかけてくる。

「私の刀の能力は、私の記憶力に由来しているんですよ」

刀の能力はもう知られてしまっているので、隠していても仕方がない。

私は藍染を鋭く睨みつけたまま、口を開く。

「私は見たものを一瞬で記憶出来るんです。だから藍染、あなたがいつの間にか移動しているなんて可笑しな話なんです」

その瞬間、周りの風景が変わる。

そして白哉と刃を交えていたのは一護だ。藍染じゃあ、ない。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ