真実を映す鏡4

□元気を出して
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いろいろあった、って。

私はおそるおそる雨竜くんの顔を覗き見る。

「いえ。すみません。紫乃さんは悪くないのですが…。滅却師は死神によって殲滅させられたものですから」

「っ!」

これは私…。
とんでもないことを言ってしまったかもしれない。

私は深く頭を下げる。

普通に一護やそれに車谷さんとも話していたから全然気づかなかった…。

雨竜くんはそんな私を「いえ、紫乃さんが悪いわけじゃ」と肩を優しく掴む。

「あ、あの、わ、私、今日は帰るね」

その場の雰囲気がいたたまれなくなって、踵を返そうとするものの、雨竜くんに肩をがっしりと掴まれていてその場から離れられない。

「僕も付き合いますよ、修行」

「え?でも無理には」

「無理じゃないですよ。それに浦原さんとは話したいこともありますしね」




――――――



ということで説得、というか雨竜くんの方が私よりも精神的に年上で。譲歩してくれたというか気を遣ってもらったの方が正しい。

私は浦原さんと雨竜くんを交互に見る。

特に『普通』の様子に見えるけれど、雨竜くんの心境は違うのかもしれない…。
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