真実を映す鏡4

□元気を出して
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私は黙々と浦原商店の掃除を始める。

長年手入れされてないところが多くて埃がかなり積もってるんだよなー。

私はぞうきんを片手に「よしっ」と自分に言い聞かせるように声を出す。

すると「大丈夫か」と後ろから声がかかった。

ジン太くんだ。

私は質問の意図が分からず、首を傾げる。

「ここ最近、なんか様子が変だから。空元気を出してる感じだし」

「…」

実はジン太くんの言う通りだ。いろいろと悩み事が多すぎる。

主に母親と電話した時の態度が8割を占めていたが、死神代行として役にたてるかも悩み事の一つだ。

「確かに、ジン太くんの言う通りですね〜」

浦原さんが扇を仰ぎながら歩いてくる。

「大丈夫ですか?」

浦原さんがジン太くんと同じ言葉をなげかける。

「は、はい。大丈夫ですよ」と私は苦笑いを返す。

私が何者なのか悩んでいる―。

これを浦原さんに話すべきか。…なんとなくだけどまだのような気がする。
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