主人と僕の旅路
□誓い
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「お待ちくだされ殺生丸さま」
邪見が転びながら、殺生丸さまについていく。
殺生丸さまが何処に向かっているのか知らないが、私はとりあえずついていってる。
…というのも、此処が何処だか分からないからだ。
見渡す限り草木がいっぱいだし。
ふと殺生丸さまが立ち止まる。
「殺生丸さま?」
「下がっていろ」
…なんとなく分かる。ここに妖怪がいる。一人みたいだけど。
「さすがは殺生丸さま」
そう言いながら現れたのは毛皮を被った妖怪。
「お前は奈落!」
「邪見、奈落って?」
「これまで殺生丸さまに幾度となく付きまとっている妖怪。いや、半妖のことじゃ」
殺生丸さまが奈落を鋭く睨み付ける。
「貴様、一体何の用だ」
「いえ、何も。ただ風の噂で人間の小娘を連れていると聞いたので、どのような娘かと見にきたのでございます」
奈落は私の方を向く。
なんか、この妖怪…恐い。殺生丸さまとは、また違った恐さ。