主人と僕の旅路
□回想
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「鈴、お前は…安部一族の…最後の1人になる…だろう」
「父様!」
私の傍らに横たわっているのは、息を切らしている父様。
「すま、ないな…。母も既に死んでしまって…いるのに。お前を、残していく…なんて」
「父様!もう喋らないで下さい」
「言わなければ…ならぬ。芦屋家に行け。お前にとっては…辛い場所かもしれんが…、あそこしか生き残れる場所は、ない、のだ」
そう言って父様は静かに目を閉じた。
「父様?…父様!!!」
―何処にも行かないで!私を置いていかないで!―
「わからんガキだなっ。ここから先、人間なんぞがはいったら、毒気で死んでしまうんだぞ」
邪見の言葉に対して反論するが、殺生丸さまに「うるさい」と言われてしまった。
殺生丸さまが歩きだす。
―また、何処かへ行ってしまう…。私を置いていかないで!―