主人と僕の旅路 3
□首のない妖怪
1ページ/4ページ
「あ!!」
殺生丸さまと一緒に歩いていると式神の風鳥が戻って来る。
風鳥は風を操る式神で、文字通り鳥の形を成している。子供の頃は父さまと一緒に風鳥に乗って空を飛んだこともあって…。式神のなかでは一番古い式神でもある。
風鳥は私と殺生丸さまの前に降り立ち、そして私に近付いて消えていった。
「え!?」
「…どうかしたのか」と殺生丸さま。
「あ、はい」
私はどうしたものか、と考えながらゆっくりと口を開く。
−−−−−−−−−−−−−−
現代からこの時代に戻ってきた私は再び殺生丸さまと一緒に旅をすることになった。
私が陰陽師だと知った今でも、私の居場所はここだと言ってくれた殺生丸さまの為に私に何か出来ないかって考えて…。
いろいろと悩んだ結果、私は情報収集に徹することに決めた。
もちろん、奈落のことで。
殺生丸さまは奈落を追っているし、私も奈落に狙われたり利用されそうになったりして因縁がある。
だから…。
私は少しだけ殺生丸さまから離れて式神の風鳥を出す。
「お願い、奈落の情報を探ってほしいの」