主人と僕の旅路 3

□あの世とこの世の境
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妖怪は首をつなげて体を起こす。

「はぁー。もう戻ってこれんかと思った」

戻る?

「あの…どこに行っておられたので?」

私と同じことを疑問に思ったのか、弥勒さんが尋ねる。

「そこは白い霧に包まれた世界で、わしゃあそこを、首ひとつで飛んでおりました。気がつくとほかにも…おっそろしい顔をした鬼の首がいくつも…」

「白童子に首を狩られた妖怪どもか…」

「そして霧の下にもぐってみると、そこには…」

―巨大な骨―

そこまで聞くと殺生丸さまはサク…と無言で歩き始める。

あ…。ついていかないと。置いてかれてしまう…。

犬夜叉さんたちはまだお話中だし…。邪魔したら悪いもんね。

私も無言で殺生丸さまの後をついていった。



−−−−−−−−−−−−−−

「お!せ、殺生丸さまぁ〜!!!」

しばらく歩いているとどこからか邪見が飛び出してくる。

そういえば…邪見、途中からいなくなっていたような。迷子?

邪見はうっとりと殺生丸さまを見た後、私を見てギョッとする。

「鈴!お前、なんじゃその顔はっ!」

「え…」

「目が真っ赤だぞ」

あ。さっきまで泣いていたから…。

殺生丸さまはゆっくりと私の方へ顔を向ける。

「あ、えと…。さっきは、その。ごめんなさい」

「…。何があった」


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