主人と僕の旅路 3

□涙の理由
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殺生丸さまは歩みを止め、私が話し出すのを待っている。

「えっと…。長い話になってしまうんですけど、それでも聞いてくれますか」

殺生丸さまは無言で木によりかかるように腰を下ろす。

これは多分、話してもいいってことだよね。

私が話そうと息を吸い込むと、それを遮るように殺生丸さまが口を開く。

「こちらへ来い」

「え?」

殺生丸さまはそれだけ言うと目線を横に移す。

横に座れってこと、だよね。

「それじゃあ、あの、失礼します」

私はおずおずと殺生丸さまの隣にちょこんと座る。

それを見て、邪見も殺生丸さまの隣に座った。

殺生丸さまも、そしてあの邪見でさえもシンと私が語りだすのを待っている。

「えっと、どこから話せばいいか難しいんですけど。さっき泣いてしまったのは父様のことを思い出してしまったからなんです」

「…」

殺生丸さまは無言だけれど、こちらに耳を傾けているのを感じる。
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