主人と僕の旅路 3
□血の河
1ページ/3ページ
ゴロロロと空から不気味な音がする。空を見ると大きな鳥が羽ばたいているのが見える。
「殺生丸さま、あれは…」
「…」
「奈落の妖怪どもでしょうか」
殺生丸さまは無言で空を眺める。
なんだろう。白童子とかいう赤ん坊のこともあるし。何かが起こる気がする…。何かが。
−−−−−−−−−−−−−−
殺生丸さまの後を阿吽を引いて着いて行く。
すると…
「殺生丸さま、あれは…」
目の前に大きな鳥が倒れている。しかも、首がない。
あのカワウソのときと同じ、だよね。
でも、この妖怪、何かが変。何だろう…。
私は目をスッと閉じて考える。
何だろう、違和感?妖怪が倒れているところを何度か見ているけれど…。何かが違う。何か…。
「あっ!!!」
「なんじゃ」
「えっと」
私の大声に反応して、邪見と少し遅れて殺生丸さまが振り返る。
「この妖怪違和感があるなと思って考えていたんですけど。血の跡がほとんどないんです」
「た、確かに!」と邪見が騒ぐ。
その時、
―っ!!!―
この妖気、もしかして!!!
「間に合わなかったようだね、殺生丸」
神楽が殺生丸さまの後ろに降り立つ。
やっぱり…。