主人と僕の旅路 3
□広がる汚れ
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道なき道を殺生丸さまから放されぬように、必死にくらいついて行く。
はるか前を行く神楽に着いて行くと、山から火が噴き出ているのが見える。
「この火の国に…あっちにつながる門がある」
火の国???それにあっちって…。
神楽はそれ以降無言で私達を導いていく。
山の中へ、中へ入っていく。
そして洞窟のような場所で神楽は立ち止まった。
「あたしはこっから先は御免こうむるぜ。巻きぞえくっちゃたまんねえからな」
「ど、どういうことだ神楽っ。危ないのかっ」
邪見の言葉に神楽がキッと睨み付ける。
「うっせーな。案内しろと言ったのはそっちだろ。命の保障はしねえと言ったはずだぜ」
神楽はやることはやった、というふうに手を軽く挙げて去っていった。
「…」
「…」
殺生丸さまは何故か一歩を踏み出そうとしない。
「あ、あの。殺生丸、さま?」
私に背を向けている殺生丸さまの表情が気になって、覗き込もうと歩き出すと突然殺生丸さまが振り返った。
「…鈴」
「はっ、はいっ!」
「鈴は…狐の血をひいていたな」