主人と僕の旅路 3

□破れぬ結界
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殺生丸さまは私を背にかばいながら、石像と向き合う。

ゴオオオと不気味な風が吹く。

「この門は死者しか通れぬところ」

「通りたき者は、われらの手により死者となる」

!!

それって生きたままでは通れないってこと?

そんな私の動揺など気にせず、殺生丸さまは「おもしろい…」と呟くと石像に向かっていく。

殺生丸さまはフワ…と飛び掛かると闘鬼神を振るい、一撃で石像を倒す。

「!やった!?」

「さすがは殺生丸さま…」

私と邪見の声がかぶる。

けれど石像は重々しく立ち上がる。

「無駄だ…」

うそ、この石像不死身なの!?
ううん、そんなことはないはず。

何か、何かあるはず。この門を通る術が!

私はジッと考える。

何か一つでも気になること…。そう、この石像が妖怪でないこと、とか。

この石像は一体何なんだろう…。悪い感じはしない。どちらかというと…。

「畏れ!!」

思わず声を大にする。

そのせいか殺生丸さまと邪見が振り返る。

「…」

殺生丸さまは無言でこちらを見つめた。

「あ、その。この石像、妖怪じゃないって気付いていたんですけど。何なんだろうって考えていたんです」

殺生丸さまは相変わらず無言でこちらを見つめている。
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