主人と僕の旅路 3
□破れぬ結界
1ページ/2ページ
殺生丸さまは私を背にかばいながら、石像と向き合う。
ゴオオオと不気味な風が吹く。
「この門は死者しか通れぬところ」
「通りたき者は、われらの手により死者となる」
!!
それって生きたままでは通れないってこと?
そんな私の動揺など気にせず、殺生丸さまは「おもしろい…」と呟くと石像に向かっていく。
殺生丸さまはフワ…と飛び掛かると闘鬼神を振るい、一撃で石像を倒す。
「!やった!?」
「さすがは殺生丸さま…」
私と邪見の声がかぶる。
けれど石像は重々しく立ち上がる。
「無駄だ…」
うそ、この石像不死身なの!?
ううん、そんなことはないはず。
何か、何かあるはず。この門を通る術が!
私はジッと考える。
何か一つでも気になること…。そう、この石像が妖怪でないこと、とか。
この石像は一体何なんだろう…。悪い感じはしない。どちらかというと…。
「畏れ!!」
思わず声を大にする。
そのせいか殺生丸さまと邪見が振り返る。
「…」
殺生丸さまは無言でこちらを見つめた。
「あ、その。この石像、妖怪じゃないって気付いていたんですけど。何なんだろうって考えていたんです」
殺生丸さまは相変わらず無言でこちらを見つめている。