主人と僕の旅路 3
□帰還
1ページ/7ページ
―邪見視点―
奈落が消えた…。もしや倒したのか…。
奈落が消えた途端、殺生丸さまがゴッとすさまじい勢いで鈴に近付く。
「せ、殺生丸さま!!鈴がっ。体を揺らしてもピクリともせず。一体どうなさったので」
殺生丸さまに話しかけるがわしに一切見向きもせず、殺生丸さまは片膝をつく。
殺生丸さまは右腕で鈴の頭を抱えるが、やはり起きる気配は見られない。
「…鈴…。目を覚ませ」
殺生丸さまも語りかけてみるものの、やはり動かない。
すると殺生丸さまは鈴の腰に手を当て、鈴の上半身が殺生丸さまの肩に寄りかかるようにして担ぎ上げる。
そして一瞬にして空に舞い上がる。
「え、えっ!!せ、殺生丸さま!?」
あっという間に殺生丸さまは空を飛び、姿が小さくなっていく。
わしも阿吽の手綱を引いて急いで殺生丸さまを追いかける。
あの殺生丸さまのご様子…やはり鈴に何か重大なことが起きたとでも言うのか。
珍しく
―焦ってらっしゃる―