主人と僕の旅路 3

□帰還
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―邪見視点―

奈落が消えた…。もしや倒したのか…。

奈落が消えた途端、殺生丸さまがゴッとすさまじい勢いで鈴に近付く。

「せ、殺生丸さま!!鈴がっ。体を揺らしてもピクリともせず。一体どうなさったので」

殺生丸さまに話しかけるがわしに一切見向きもせず、殺生丸さまは片膝をつく。

殺生丸さまは右腕で鈴の頭を抱えるが、やはり起きる気配は見られない。

「…鈴…。目を覚ませ」

殺生丸さまも語りかけてみるものの、やはり動かない。

すると殺生丸さまは鈴の腰に手を当て、鈴の上半身が殺生丸さまの肩に寄りかかるようにして担ぎ上げる。

そして一瞬にして空に舞い上がる。

「え、えっ!!せ、殺生丸さま!?」

あっという間に殺生丸さまは空を飛び、姿が小さくなっていく。

わしも阿吽の手綱を引いて急いで殺生丸さまを追いかける。

あの殺生丸さまのご様子…やはり鈴に何か重大なことが起きたとでも言うのか。

珍しく
―焦ってらっしゃる―
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