主人と僕の旅路 3
□奪われたもの
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―犬夜叉視点―
犬夜叉はジッと人間の形に似ている妖怪、魍魎丸に向かい合う。
「白童子!魍魎丸!てめぇらまとめてたたっ斬ってやる!」
「ふっ、それは刀を振りきれたらの話だろう」
犬夜叉の体は刀もろとも魍魎丸の残骸にゆっくりと飲み込まれていく。
「ふっ…」
犬夜叉はギリ…と奥歯を噛み締める。
「飲みこめるもんなら…やってみろ!」
刀が宝石に変わっていく。
冥界で身に着けたこの新しい技で。
「金剛槍破!!」
刀から槍のように宝石がバッと一気に飛び出る。
その反動でブチブチと残骸を振り切る。
バババと魍魎丸に宝石が向かっていくが、突然白童子が魍魎丸から降りる。
そして魍魎丸をかばい、白童子が金剛槍破の槍に貫かれる。
「!?」
先程まで犬夜叉の体に取り付いていた残骸が動き出し、一気に軽くなる。
残骸はブワッと犬夜叉から離れていくと、かごめ達に向かっていく。
「かごめ!」
かごめは弓を取り出し、矢を放つが…。
「ダメだわ。細かく分かれていて、浄化しきれない」
「バカ野郎、逃げろ!」
犬夜叉は咄嗟にかごめを庇う。
その間にも残骸はこちらに向かって来る。
犬夜叉はギュッとかごめを抱きしめる。
衝撃に備えたその時、ザッと弥勒が犬夜叉の前に立ちふさがる。
が、残骸の攻撃を押さえることが出来ず、残骸に押される形で後ろに倒れた。