主人と僕の旅路 3
□消えた妖気
1ページ/3ページ
やっぱり、あの妖怪が奈落の心臓…。
何故か黒髪の人間の姿をした犬夜叉さんが、かごめちゃんに支えられながらジリと前に出る。
「魍魎丸…てめえが…。てめえが奈落の心臓なんだな」
魍魎丸と呼ばれたその妖怪は、「なんの話だ」と一言。
「しらばっくれんな。そこのひねたツラの妖怪の持ってる結晶が、なによりの証拠だ!」
「なっ…」
ひねたツラの妖怪って…。
隣をチラリと見る。
邪見のことか。最近、一緒に居すぎて顔に慣れがきてるのかな。
そうこうしている間に魍魎丸は邪見に、いや、結晶に目を向ける。
「それをどこで手に入れた…?」
−!―
まただ、またあの嫌な予感…。
冷たい汗が地面に落ちていく。
「隠すまでもないわ!これは…」
「黙れ邪見」
間髪入れずに殺生丸様が声をかぶせる。
「「!」」
殺生丸様が、神楽を。庇った…。
あの、殺生丸様が。
いや、殺生丸様は分かりにくいけど元々優しい妖怪で。私は…。その優しさに甘えすぎていたのかもしれない。その優しさが…。
−私だけのものであってほしかったー
なんだかどんどん強欲に、黒くなっていく。
嫌だな…。