主人と僕の旅路 3
□器
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ドオオオンとけたたましい音が鳴る。
殺生丸様は剣を振りかざす。が、魍魎丸は剣から放たれる妖力を易々と吸収していく。
その間も犬夜叉さんは魍魎丸の腕に絡めとられたまま。
「…殺生丸様」
私は胸の前で手を組む。
きっと魍魎丸は殺生丸様の放つ妖気を貯め込んで強くなるつもりだ。
これ以上妖気を貯め込まれたらマズイけれど。でも殺生丸様の攻撃が全く効いていないわけじゃない。
かごめちゃんは犬夜叉さんを心配してキリ…と弓を構える。
「犬夜叉待ってて。私の矢の霊力なら、魍魎丸に効くかも」
「やめろかごめ!このままでいい!」
犬夜叉さんが叫んだ瞬間、空気が変わる。
この殺生丸様に似た妖気は…犬夜叉さんの妖気。
人間の姿をした犬夜叉さんの妖気が…。
「もうすぐ夜が明ける…」
「犬夜叉が半妖に戻るぞ」
弥勒さんと七宝ちゃんの言葉に私も空へと目を向ける。山が微かに白んできている。
「あの、かごめちゃん」と私は声をかける。
「鈴ちゃん?」
「犬夜叉さんが人間の姿になっているのって」
かごめちゃんはしばらくポカンとした後、「ああ!」と声を出す。
「鈴ちゃんは知らないんだもんね。犬夜叉は朔の日になると人間になるの」