主人と僕の旅路 3
□怒り
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殺生丸様と魍魎丸の成り行きをジッと見守る。
何か弱点が…。
「っ!!」
目を凝らすと、微かに左側に黒い靄がかかっている。
これは…。
「四魂のかけら!!」
私は殺生丸様に向かって声を張り上げる。殺生丸様は魍魎丸と対峙しながら、チラリと私を一瞬見た。
「そうか。魍魎丸の外甲や金剛槍破の腕をつなぎ止めているのは、四魂のかけら…よね?」
かごめちゃんも魍魎丸に目をやる。
四魂のかけらに関しては、私よりもかごめちゃんの方が見る力が強い。
ここはかごめちゃんに任せたほうがいいかも。
私は耳だけをかごめちゃんと犬夜叉さんの会話に向ける。
「鎧甲の中…。かなり深い所…。矢が届くかどうか…」
「当てるだけでいい」
かごめちゃんは鋭く矢を構える。そして右肩の鎧甲にピンポイントで当てる。
だが矢ははじかれ、かわりに金剛槍破の槍が返される。
「ダメだわ、あたしの矢じゃささらない」
「場所が分かれば充分だ!」
犬夜叉さんはかごめちゃんを抱きかかえて庇う。そして魍魎丸の前に一歩出た。
「おう、魍魎丸!てめぇの鎧ひっぺがして、中に隠した奈落の心臓ひきずりだしてやるぜ!」
その言葉に魍魎丸はくくくと不気味な笑いを浮かべる。