主人と僕の旅路
□夢
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ー神社ー
私は鳥居をくぐる。
やっぱり、ここに妖怪がいるみたい…。場所は…多分社殿の奥の方。
私は早足で歩き、社殿の扉を一気に開いた。
中は暗くてよく見えないけど、奥の端の方に妖気がする。
私はゆっくりと着物の懐に手を入れ、式神を呼び出した。
「悪き者を灰にしろ、炎虎(えんこ)」
(火を操る式神。見た目は虎。周りの毛皮は炎に覆われていて、口から炎を吐くことが得意)
炎虎は妖怪がいると思われる場所に炎を吐き出す。
それと同士に周りが明るくなって、妖怪の姿を認識出来るようになった。
どうやら蝶の形をした妖怪らしい…。
「っつ!!!陰陽師!!!」
「炎虎、もう一度」
私の合図に従って、炎虎はもう一度炎を吐き出した。
みるみるうちに妖怪は炎に包まれ、焼け焦げていく。
「たっ、助けてくれ!!我は悪事なんて働いていない。ただここにいただけだ。お願いだから助けて!」
私は妖怪の言葉に耳を貸さず、炎虎に火力を強めるように言う。
「助けてくれ〜!!!死にたくない、死にたくない、死にたくない!!!!!!」
「っつ」
「嫌だぁ〜!!!!!!」
一際大きな叫び声が辺りに響いた瞬間、私は妖怪を滅することなくその場から逃げ出していた。