主人と僕の旅路
□真の使い手
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ー殺生丸視点ー
風の傷を受けた瞬間、何処だか知らぬ場所に来ていた。
確かに風の傷を受けだが、生きているということは…天生牙に守られたということか。
それにしても体が動かん…。
そんなことを思っていたとき、カサ…という音がした。
人間の匂い…。
「シャーッ」
威嚇した瞬間、女がびくっと着物の懐に手を突っ込む。
女は肩と脇腹に矢が刺さっていた。
しばらくじっとしていると、女が茶色の見たことのないものを取り出す。
そしてこっちに向かってきて、茶色の物の上をキュッキュッと回し始めた。
しばらくすると、上の部分が外れる。
そしていきなり中にある液体を、顔からかけられた。
「っつ!!」
こいつ…私を救おうとしているのか。
こいつも傷を負っているというのに。