主人と僕の旅路
□主人と僕(しもべ)
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「天生牙の力だ」と殺生丸さまが答える。
「天生牙?」
それきり殺生丸さまは黙ってしまう。
聞いたことない刀だな。陰陽師だから、妖刀だったら知らないはずはないんだけど。
「あのー。それじゃあ此処はどこなんでしょう?」
「…知らん」
「えっ…」
知らんって。
「…終わりか?」
「いや、その、まだありまして。えーと、えーと」
私は置いてきぼりにされたくない一心で、何とか言葉を繋げようとする。
「これから何処に行くんですか?」
「…」
殺生丸さまは黙ったままだ。
そして、黙ったまま歩き出してしまった。
「お待ちくだされ、殺生丸さま」
邪見がその後をつまずきながら走る。
私も殺生丸さまの後を追う。