主人と僕の旅路 3
□首のない妖怪
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「あの、今、風鳥が情報を掴んだみたいで…」
私は言葉を探しながらゆっくりと口を開く。
「この先の村で、首のない妖怪が暴れているらしくて」
「…」
「それだけじゃなくて、あの赤ん坊によく似た子供、白童子って名前らしいんですけど。その白童子がたくさんの妖怪の首を斬って集めているみたいなんです」
ザァ…と風が横に吹き抜ける。
「つまりは…奈落が関わっている、と」
「はい…」
殺生丸さまはザクッと一歩を踏み出す。
「あのー、殺生丸さまどこに?」と邪見。
「…」
「邪見、今までの話を聞いてなかったでしょ。この先の村に行くんだってば」
殺生丸さまがギロリと邪見を睨み付けたので、急いで説明する。
「…鈴」
低く優しい声で名前を呼ばれる。
「あ、はい」
「…鈴はどうする」
どうする??
「一緒に行くのか」
え…?
一緒に行くって。首のない妖怪がいるこの先の村にってこと、だよね。
私が奈落に狙われているから…。それに足手まといになるかもしれないし。殺生丸さま、置いていくつもりだったのかな。
でも、今、尋ねたってことは…。