主人と僕の旅路 3
□あの世とこの世の境
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首のない妖怪が目の前で崩れていく。
「あ…」
その瞬間、犬夜叉さんたちが駆けつけてくる。
「…」
殺生丸さまが無言で犬夜叉さんを睨み付けるようにしていると、犬夜叉さんの肩から子カワウソの妖怪が飛び出してくる。
「お、おとうーっ。しっかりしろ、おとうーっ」
「甘太、とにかく首を…」
七宝ちゃんの声に促されてカワウソの妖怪が風呂敷を取り出す。
パラと開けるところを見ていると、父親と思われるカワウソの顔が入っている。
「頼むっ、くっついてくれ」
七宝ちゃんとカワウソの妖怪が顔を首に押し付けるものの…ゴロ…と空しく転がる。
「っ…」
「う…。わーっ。おとうーっ」
それを横目に見つつ、殺生丸さまは背を向けた。
「あ…。あの、」
「おい。殺生丸」
私の言葉と犬夜叉さんの声がかぶる。
「てめえなんでここにいる?たまたま通りかかったとは思えねぇ」
「…」
犬夜叉さんの言葉に反応して殺生丸さまは顔だけ後ろに向けるものの、「きさまに話すことなどない」と一喝し再び背を向けた。