主人と僕の旅路 3
□破れぬ結界
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「何だろうって考えていたら、畏れだったんです。つまりはそのー…」
「神、か」
殺生丸さまは私から視線をはずすと、天生牙を見つめる。
「われらはこの世の刀では斬れぬ…」
「!!!」
私がハッとしたのと同時に殺生丸さまは闘鬼神を地面に刺す。
そして天生牙を抜いた。
やっぱり…。
神…ということはこの世のものではないということ。
この世のものではないものを倒すには、この世のものではないものを斬る刀。
―天生牙―
殺生丸さまが天生牙を抜くと、門がギイと開く。石像はというと私達の前に跪いていた。
「通るがいい。あの世の刀を持つものよ」
「それはこの世ならぬものを斬る刀。われらは斬られたも同然」
「無駄な争いはせん…か。殊勝だな」
殺生丸さまは刀をチンと収めると扉へと足を踏み出す。
「鈴、行くぞ」
「は、はい」
殺生丸さまに呼ばれ後ろをついていく。
光の指す扉の先へと。