主人と僕の旅路 3
□試される資格
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ピシピシ…
「それにな…もしきさまがかけらを持つ資格なき者なら、わしを斬ることはかなわん。それどころか…逆にこの場で命を失うことになる」
「それを聞いて、少しは気が楽になったぜ」
犬夜叉さんは鞘からザッと大きな鉄砕牙を抜く。そして宝仙鬼の頭めがけて斬る。
が、金剛石のつぶてが犬夜叉さんの体を襲っただけで宝仙鬼自身にはヒビすら入っていなかった。
ドン!!!
一際大きな音が後ろから響いてきて、私は再び殺生丸さまを見つめる。
殺生丸さまは再び奈落に刀を向けるものの、奈落は動じない。
「くくく殺生丸。そんなにわしを斬りたいか。ならば望みをかなえてやろう」
奈落は背中から触手を出す。
竜のような首が殺生丸さまに襲い掛かるが、当然のように闘鬼神で切り裂かれる。
その瞬間、
「!」
ぶわっと瘴気が広がる。
瘴気は私の側にいた邪見の手前までやってきて、地面をぶくぶくと溶かしていく。
もしかして…奈落は…。
「ふん…。この殺生丸にきさまごときの瘴気が効くか」
「ふっ。おまえに効かずとも…」
やっぱり。
「おえ〜」と素っ頓狂な声を上げる邪見と、苦しそうに口元を覆う珊瑚ちゃんと弥勒さん。
狙いは私達。