主人と僕の旅路 3
□試される資格
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奈落の言葉に殺生丸さまは目線だけを私に向けている。
トクン…
殺生丸さま…。
大丈夫。私はもう殺生丸さまの足手まといにはなったりはしない!
私はグッと拳を握りしめ、殺生丸さまに頷いた。
殺生丸さまは再び奈落へと目を向ける。
「奈落。言いたいことはそれだけか。人間ごときの命と引きかえに剣を鈍らすほど…」
ス…
「この殺生丸は甘くないわっ」
殺生丸さまは刀を振りかざす。奈落の触手は木端微塵に粉砕される。
そして…大量の瘴気が私達めがけてやって来た。
「風鳥っ!!!」
風鳥は先程よりも大きく早く翼をはためかせる。
トクン…
大丈夫。
トクン…
殺生丸さまの邪魔になったりしない。
トクン、トクン、トクン…
せめて自分の身は自分で護ってみせる!
その瞬間、
ードクンッ!!!!―
心臓の音がやけに大きく響き、私は膝から崩れ落ちる。
何、これ…。
風鳥が元の紙に戻ってしまう。その瞬間にも、瘴気はこちらに迫っている。
早く、風鳥を出さないと。…でも…。
体が動かない。
目をあけて…いられ、な、い…。