主人と僕の旅路 3
□金剛槍破
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―邪見視点―
鈴が倒れた後、犬夜叉がわしの前に立つ。
「刀を強くすることより…仲間の命が大切か…」
シュー
宝仙鬼が音を立てて犬夜叉に話しかける。
「それはきさまが半妖だからか…。半妖ごときがわしの妖力を得たところで、使いこなせるのか…」
「けっ、だったらいらねぇよ。どんなご大層な妖力か知らねぇけどな」
犬夜叉は宝仙鬼から視線を外し、奈落に向かって鉄砕牙を構える。そして大きく振り上げた。
「風の傷!!」
ガガガガとけたたましい音を立てて、風の傷は奈落へと向かう。
そして…
「な…奈落の結界が消しとんだ」
「え…」
奈落の結界が…金剛石の槍で…消しとんだ。
ふと犬夜叉を見ると、鉄砕牙の刃がキイ…ンと金剛石で出来ていた。
「もしもきさまが欲に走り…刀の強さのみに執着していたら…。きさまの浴びた金剛石のつぶてが、きさまの命を奪っていた…」
宝仙鬼が呟いた瞬間、ビシと頭が割れる。
「犬夜叉…。その半妖の心をもって…わが妖力、金剛槍破を受け継ぐがよい…」