主人と僕の旅路 3
□変貌
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「こ、この妖怪の残骸はいったい…」
「何者かが埋められていたらしいな。さしずめこれはその者の仕業…」
私は殺生丸さまの隣に立って、妖怪がいたと思われる穴を見つめる。
奈落…。神楽のことといい、一体何を考えているんだろう。
私はチラリと殺生丸さまを盗み見る。殺生丸さまは真っ直ぐに穴を見つめたままだ。
あんまり意識することなかったけれど、でも、こうして殺生丸さまの横顔見るとやっぱり綺麗だな。
私はジッと殺生丸さまの横顔を見る。
例え神楽が殺生丸さまのこと好きでも、殺生丸様が神楽のこと好きでも。今はこうして殺生丸様の横顔を見ていたい。
「…どうした」
「え」
殺生丸様が顔を私に向ける。
みるみるうちに私の顔が赤くなっていく。
「な、なんでもない、です」
マジマジと顔を見つめるなんて失礼だよね。
両手で頬をペチッと押さえる。
「なんか変なんだよなー」と邪見が私と殺生丸様の間に入ってくる。
「変って」
「ここ最近の鈴の態度じゃ」
私は目をパチクリさせる。
「なんか急に赤くなったり。かと思えば暗くなるし。また赤くなるし」
「うっ…」
「あんまり殺生丸さまに心配かけるなよ」
邪見がふんぞり反って言った瞬間、殺生丸様が邪見を蹴り飛ばしはるか彼方へ消えていくのが見えた。