戦国

□七夕の夜に…
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三成「左近、今日は七夕だ」

左近「そうですね」

2人「……」

三成「だから左近、今日は七夕なのだ」

左近「分かってますって」

2人「………」

三成「だからな左近、今日はたな」

左近「何なんですかさっきから!?」

三成「俺が祭に行きたいと言うのに無視するお前が悪い」

左近「Σえぇ!?そんな意味だったの!?そういうことはぼかさないでハッキリ言って下さいよ!!」

三成「俺はしゃべるのがあまり好きではないのだ。だから…」

左近「Σ汲み取れと!?あの会話から!?」

三成「とにかく今宵は七夕祭だ。俺はりんご飴が食べたい」

左近「じゃあ夕方から出掛ければいいでしょ。それまで大人しく我慢してれば連れて行ってあげますよ」

何やらゴソゴソやっている三成…。

左近「大体この前だってこいのぼりに乗りたいとかわけわかんないこと言い出すし…」

三成、壷の中に何かを見つけた模様。

左近「まぁあの時は兼続殿がこいのぼりに扮してくれたから乗れましたけど?それにしたって…」

三成、壷の中に手を入れるが抜けなくなった。慌てて振り回したため壷は柱にぶつかり…

左近「第一殿は我が儘が…って何してんですか!!!」

三成「すまぬ。粉々になってしまった」

左近「すまぬじゃないでしょ!!言ってるそばからもう…」

三成「すまぬ。壷の中から兼続が手招きをしていたものでつい…」

左近「気持ち悪っ!!なに変な幻覚見てんですか!!」

左近は飛び散った壷の破片を片付け始めた。

左近「あ〜もう廊下にまで飛んでるよ…」

ふと左近が廊下の先の縁側を見ると…

兼続が倒れていた。

左近「Σ幻覚じゃなかった―!!!」

兼続「おぅ左近…助かった、礼を言うぞ…」

左近「うわぁ絡んできたよ…」

兼続「少しでも三成の側にと思い壷に入ったまでは良かったが迂闊だった…。入ったはいいがどうやって出たものか分からず3日間飲まず食わずで…」

三成「な、いただろ?」

左近「うん、俺には殿というお人がどんどん分からなくなっていきますよ…」

兼続「そうだその調子だ!!その調子で三成のことなど忘れてしまえ!!」
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