*頂き物*
□†生き抜く力†
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私立リチヤ学園。
そこに、その部活はあるという。
周りからは『闇部』と呼ばれるその部の活動内容は、『郷土研究』。
――ただしそれは表向きだ。
新校舎最上階の教室に今日も彼らはいた。
「何か新しい情報は入った?」
長い髪を揺らめかせ、目の前の画面を覗き込んできたのは、魔術師家系ロゼルダ最後の一人であるティアン・ロゼルダ。通称、ロゼ。
「いいや。今日は特に」
対して、その言葉にキーボードを叩きながら答えたのは、この部活の部長である美祢 流星だ。もう一つの名は星流。
彼らは二つの名を持っている。
それは自らの命を守るためのものだ。
彼らはいつも命の危険と共に過ごしている。魔術というものが、この世には存在すし、そしてそれが危険とみなされているからだ。
それは何故か。
人と違うから――ただそれだけだ。
それだけなのに、何故命を狙われなくてはならないのだろうか。自分たちが望んでその力を持ち生まれてきたわけではないのに。