*捧げ物*
□『アンケート!?』
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「だーかーら!
これに答えるだけでいいっつってるだろ!?」
その日、家を揺らした大声。
声の主は、赤毛に綺麗な水色瞳の少年――もとい、少女であった。
「何?
一体どうしたの?
キミ達・・・。」
何事かと部屋に入ってきたのは、黒髪に焦茶色の瞳を持つ青年。
――――ウィリアムである。
「あ、ウィルウィル!
シン坊がおれの質問に答えてくれねぇんだよ!」
その言葉に、赤毛の少女――コーキは振り返りながら抗議の声をあげる。
「質問?
どんな質問??」
「これだよ!これ!!」
ウィリアムの質問に対し、コーキは『これ』と、一枚の紙を付き出す。
その紙を覗きこんだウィリアムは、思わず呟いた。
「名前・・・生年月日・・・趣味・・・。
なんだい?
これ・・・。
っていうかコウ君、キミの答えたこれ・・・。
趣味のところの『工作』だけすんごく強調してあるんだけど・・・。
なんで・・・。
そこだけペン書き??」
そう。
コーキの手に握られた紙には、『趣味』の項目の答え、『工作』だけがペンで大きく書かれている。
それも、赤太字。
と、それまで沈黙を保ってきたシンが、ここでようやく口を開いた。
「っつーか、コーキ、あんたの趣味は工作それ事態じゃなくて、俺達を実験台に、つくったものを試すことだろうが!」
シンの激しいツッコミに、一瞬退いたコーキだが、負けじと言い返す。
「しょうがねぇだろ!?
おれはより良い品を追求してんだよっ!」
「品の良さより前に、俺達の気分の良さを追求しろって!」
「だからっ・・・!!」
再びシンに言い返されたコーキは、先程の紙をシンとウィリアムの目の前に広げる。
――自信満々、という表情で。
「これはなぁっ!
おれが前に街頭で聞かれたヤツをもとにして作ったんだ!
これに全て答えればそいつのことがわかるっつー優れ物だ!!」
その言葉に。
「それ只の心理テストだろーが!!!」
シンは思わずつっこむのであった。